通路幅の制約や床面のレール工事が困難な環境において、金型交換の工数削減と設備の非稼働時間抑制を図りたい現場に適したシステムです。
パスカルの金型交換装置は、独自のクランプ技術と搬送機構を組み合わせることで、既存のレイアウトを維持したまま、確実で迅速な段取り替えを支援します。
本記事では、パスカルが提供する金型交換装置について、技術的な特徴と現場の条件に応じた導入メリットを整理しました。
射出成形機における金型の搬送から着脱工程までをシステム化し、段取り工数の削減に寄与する装置です。独自の搬送技術により、成形機のサイズや金型重量に応じた安定的な型換えを実現します。
自律的な運用を可能にする自動型から、レール埋設工事を必要としない無軌道タイプ(電動・人力)まで、現場環境に応じた多彩なラインナップが強みです。
既存の工場レイアウトや予算計画に合わせて適切なシステムを選択できるため、多品種少量生産において成形機の非稼働時間を抑制し、設備稼働率の向上を図りたい現場に適しています。
| シリーズ | 搬送方式 | 対応型締力 | 対応金型重量 | レール工事 |
|---|---|---|---|---|
| 電動レール走行型 | モータドライブ方式 | 4,500kN〜30,000kN | 30tまで | 必要 |
| バッテリ駆動無軌道型(QMBシリーズ) | バッテリ駆動 | 400kN〜4,500kN | 要確認 | 不要 |
| マニュアル無軌道型・固定式(QMFシリーズ) | 手動 | 400kN〜1,000kN | 300kg〜600kg | 不要 |
| マニュアル無軌道型・昇降式(QMAシリーズ) | 手動 | 400kN〜1,000kN | 要確認 | 不要 |
| マニュアルレール走行型(QMEシリーズ) | 手動 | 500kN〜2,500kN | 要確認 | 必要 |
工場のレイアウト変更や大規模な基礎工事を伴わず、現場の物理的な制約をクリアしながら段取り工程の自動化を図りたい企業に適しています。
豊富なラインナップから、自社の生産規模や予算計画に合致したシステムを構築できる点が強みです。
「モールドダイチェンジャ」は、無軌道タイプを含む多彩な選択肢により、成形現場の柔軟な運用を支援します。
対して「スタンピングダイチェンジャ」には独自の駆動方式が採用されており、重量級金型の安定した搬送を可能にしました。
これにより、プレス工程における作業負担の軽減と、設備稼働率の安定的な維持に寄与する設計となっています。
| 対応機械 | プレス機 |
|---|---|
| 対応金型重量 | 12t |
| 最大金型サイズ | 1,400mm×3,000mm |
| 製品サイズ | 要お問い合わせ |
| 搬送・交換方式 | チェーンドライブ方式 |
特注やオーダーメイドへの対応可否について、公式HP上で明確な表記は確認できませんでした。
既存のラインナップで要件を満たせない場合や、特殊な環境への導入を検討される際は、直接お問い合わせください。
金型交換装置の導入にあたっては、装置の設置面積と搬送経路に必要なスペースの確認が欠かせません。
パスカルのモールドダイチェンジャの場合、電動レール走行型は床面へのレール敷設工事が前提となるため、既存の工場レイアウトへの影響を事前に確認する必要があります。カタログに記載されている装置寸法の例として、QMF1(マニュアル無軌道型・固定式)は幅525.5mm×奥行636.5mm×高さ1,131mm、QMB1-2500(バッテリ駆動無軌道型)は幅1,153mm×奥行2,188mm×高さ1,400mmとなっています。
一方、無軌道タイプ(QMF・QMA・QMBシリーズ)はレール工事が不要ですが、台車が成形機の周囲を移動するための通路幅と、金型を載せた状態で床面が支持できる耐荷重の確保は必要です。
設置可否の判断に必要な具体的なスペース要件(必要通路幅・床面耐荷重の基準値)は、パスカル公式サイトのカタログには記載が見当たらなかったため、導入検討時にはメーカーへ直接確認することをおすすめします。
金型交換装置を導入する動機の一つに、天井クレーンによる吊り作業の代替があります。クレーン吊りには、クレーンの空き待ちによるライン停止時間の発生、吊り荷落下リスク、玉掛け作業に一定の技能が必要といった課題があります。
パスカルのモールドダイチェンジャは、金型を台車に載せて水平方向に搬送し、成形機への着脱を行う方式です。搬送方式によって作業負荷と自動化の範囲が異なります。
電動レール走行型は、搬送から成形機へのセットまでをモータ駆動で行うため、作業者の身体的負荷が小さく、上位モデルではマグネットクランプとオートカプラによる固定・配管接続の自動化にも対応しています。
バッテリ駆動無軌道型(QMBシリーズ)は、バッテリ駆動で搬送するため手動で金型を押す必要はありませんが、クランプ操作は手動となる場合があります(仕様により異なるため要確認)。
マニュアル型(QMF・QMAシリーズ)は、金型の搬送を手動で行うため、重量級の金型には不向きです。対応金型質量は300kg〜600kgの範囲で、小型成形機の段取り改善を低コストで実現したい場合に適しています。
いずれの方式も、金型を水平搬送する構造のため、天井クレーンによる吊り上げ・吊り降ろし作業を不要にできる可能性があります。ただし、金型を台車に載せるまでの工程(保管棚からの取り出し等)に別途クレーンや搬送設備が必要な場合もあるため、工場全体の搬送フローとあわせて検討する必要があります。
導入先の成形機の型締力やプラテンサイズに対して、装置のクランプ力や搬送ストロークが適合しているかを確認する必要があります。
パスカルのモールドダイチェンジャは型締力400kN〜30,000kNの範囲で複数モデルが用意されていますが、T溝や固定穴の配置が成形機側と合致しているかは、金型を安定して固定するうえで欠かせない確認事項です。
また、パスカルはクランプ方式としてマグネットクランプ・油圧クランプ・エアクランプ・メカニカルクランプの複数方式に対応しています。成形機の動力供給状況(油圧源の有無など)や金型の固定方法に応じて、適合するクランプ方式を選定する必要があります。
既設の成形機へ後付け導入する場合、インターフェースによる信号のやり取りや、動力源(油圧・エア・電気)の確保が円滑に行えるかを事前に確認する必要があります。
特に、成形機の制御盤と金型交換装置との信号連携は、自動化レベルを左右する重要な要素です。パスカルのフルオートマチック型では、成形機との連動制御が前提となるため、信号仕様の事前すり合わせが不可欠です。
工場のスペース制約や予算規模に合わせ、実務に即した搬送方式やシステムパッケージを選択したい企業に適しています。
射出成形機向けの「モールドダイチェンジャ」は、無軌道タイプを採用することでレール設置の手間を省いた柔軟な運用を支えます。
対してプレス機向けの「スタンピングダイチェンジャ」には、設置スペースに応じた3つのシステム構成が用意されており、導入環境に合わせた柔軟な設計が可能です。
こうした選択肢の広さが、生産ライン全体の効率的な運用を後押しします。
金型交換装置・システムの更新は、クレーン作業による事故リスクの低減や段取り工数の削減を実現する絶好の機会です。しかし、導入する現場の課題は企業ごとに異なるため、条件に合った装置を導入し、効率的に運用するには自社の現場に合った製品を選定することが重要となります。
現場環境や課題に合わせて装置を検討したい方は、当メディアで紹介しているおすすめの金型交換装置3選をご確認ください。
パスカル公式HPには、2026年9月時点で金型交換装置の具体的な導入事例は掲載されていませんでした。
導入前の詳細な据え付けや立ち上げに関する具体的なサポート内容は、公式HP上で確認できませんでした。
導入後の保守サポートや故障時の修理、予備品の手配については、専用のアフターサービス窓口(サービスセンター)が設けられています。設備の維持管理や詳細な対応体制などは、直接お問い合わせください。
| 会社名 | パスカル株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 兵庫県伊丹市鴻池2-14-7(本社・技術開発センター) |
| 電話番号 | 072-777-3521(営業本部) |
| 定休日 | 公式HPに記載なし |
| 公式HP | https://www.pascaleng.co.jp/ |
ここでは、課題になりやすい「設置スペース・運用・設計」において、解決に導く3つの製品を紹介します。

| 対応荷重量 | 0.4 ~ 2.5t |
|---|---|
| 必要型締力 | ~4,500kNクラス |

| 対応荷重量 | 要お問い合わせ |
|---|---|
| 必要型締力 | 要お問い合わせ |

| 対応荷重量 | (例)~30t ※特注対応のため 要問い合わせ |
|---|---|
| 必要型締力 | ※特注対応のため 要問い合わせ |