金型交換の安全性

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金型交換は、わずかな確認漏れや手順の前後が重大な労働災害に直結する恐れがあります。本記事では、実際の現場で発生した事故例をもとに、その要因と再発防止策を整理しました。

重量のある大型金型や、視認性の悪い狭小環境など、現場特有の条件下で安全を確保するための管理ポイントを提示します。

金型交換作業における
労働災害の事例

挟まれ・巻き込まれによる重傷事例

  • 金型交換後の清掃中、脱落したダウエルピンが足に当たり骨折※1
  • 金型取付時の安全プラグ挿入忘れにより、スライドが降下して指を切断※2
  • 金型調整中に不意に機械が作動し、上型とボルスタの間に指を挟まれ骨折※2
  • 金型内部の確認中、誤ってフットペダルを踏みプレスが起動して指を損壊※2

重傷事故の多くは、確認作業の省略や誤操作といった人為的要因が重なることで発生します。
特に金型周辺は手や体が可動部に入りやすく、重大な挟まれ事故に直結する傾向があるため、作業前の電源遮断(ロックアウト・タグアウト)の徹底が不可欠です。

直接手を入れないための手工具の活用や、作業手順書の遵守を現場全体へ浸透させ、事故を未然に防ぐ運用が求められます。

※2参照元:中央労働災害防止協会|154プレス機械を起因物とする死傷災害事例【PDF】
https://www.jisha.or.jp/Portals/0/resources/international/topics/pdf/2020jnfsc154.pdf

死亡事故に至る
重大災害の事例

  • 油圧プレスの加工作業中、脱落した上型の下敷きになり死亡※3
  • 金型調整中、動力プレスに挟まれ死亡。安全装置を無効化した状態で作業を継続していた※4
  • 射出成形機のメンテナンス作業中、クレーンから外れた金型が落下し下敷きとなり死亡※5
  • プレス機の型換え時、フォークリフト上の金型と機械本体の間に挟まれ死亡※6
  • プレス加工中、破損した上型の破片が飛来し作業者に直撃して死亡※7

死亡事故の多くは、重量物の落下や搬送機器との接触、安全装置のバイパス(無効化)に起因します。
一度の過失が致命傷に直結するため、設備のハード対策と運用管理の両面を整える必要があります。

金型の脱落防止機構やインターロック付き安全柵の導入による物理的な遮断に加え、搬送経路と歩行者の分離、立ち入り制限区域の明確化、複数人による相互確認を徹底し、重大災害を未然に防ぐ仕組みの構築が急務です。

※3参照元:厚生労働省「職場のあんぜんサイト」公式HP(https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=101207
※4参照元:労働新聞社公式HP(https://www.rodo.co.jp/accident/113457/
※5参照元:厚生労働省「職場のあんぜんサイト」公式HP(https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/sai_det.aspx?joho_no=101165
※6参照元:厚生労働省「職場のあんぜんサイト」公式HP(https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=101644
※7参照元:厚生労働省「職場のあんぜんサイト」公式HP(https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=101201

金型交換における
重大事故を未然に防ぐ対策

大型金型の取り扱いにおける落下・接触防止策

数トンから数十トンに及ぶ大型金型の交換作業は、一歩間違えれば命に関わる重大災害に直結します。

現場に潜む転倒や脱落のリスクを整理し、作業者の注意だけに頼らず物理的に危険を遮断する安全対策や、重量物専用の交換システムについて要点をまとめました。

狭小な作業環境における
安全確保のポイント

通路幅や設備間隔に課題がある現場では、回避スペースの不足による挟まれや、死角での誤操作といった特有のリスクが潜んでいます。

限られた空間でも安全を維持するための動線計画の工夫や、既存レイアウトを維持したまま後付けできる金型交換装置の活用事例を紹介します。

   
現場の課題別で選ぶ
おすすめの金型交換装置・システム3選
   

ここでは、課題になりやすい「設置スペース・運用・設計」において、解決に導く3つの製品を紹介します。

通路が狭く
レイアウト変更できない
ニチエツ
無軌道タイプ
(MMCシリーズ)
ニチエツ 無軌道タイプ(MMCシリーズ)
引用元:ニチエツ公式HP(https://jpvn.co.jp/non-track/)
対応荷重量 0.4 ~ 2.5t
必要型締力 ~4,500kNクラス
こんな現場におすすめ
  • 通路幅が狭く、成形機の横に設置スペースがない
  • 大掛かりな床工事やレイアウト変更をせず、手軽に導入したい
おすすめの理由
  • W566×D772×H1,421mmのコンパクト設計と従来の装置の1/3の旋回面積によって、狭い通路でも切り返しなしでスムーズに走行。レイアウトを変えずに段取りを自動化できる。
  • 独立走行と高さ調整ができるため、クレーン不要で一人で即座に交換が可能。クレーン待ちの時間を削減し、稼働率の向上を図れる
配管が複雑
接続ミスを防げない
ストーブリ
手動式金型搬送台車
ストーブリ
引用元:ストーブリ公式HP
(https://www.staubli.com/jp/ja/quick-mold-change/manual-mold-loading-vehicle-mlv.html?f1=divisions%3Afluid-connectors%2Fexternal%2Fproduct-name%2Fmlv)
対応荷重量 0.7t
必要型締力 要お問い合わせ
こんな現場におすすめ
  • 配管の接続やクランプの固定ミスを物理的にゼロにしたい
  • カプラやクランプの制御、故障時の対応まで一括で委託したい
おすすめの理由
  • マルチカプラによる一括接続で、高度な知識がなくても正確な配管作業が完了。作業者の習熟度に依存せずに、接続不良による水・油漏れや設備故障を防ぐ。
  • 海外拠点でのトラブル時も迅速な現地対応が可能。世界29カ国に拠点を持ち、50カ国以上の代理店を展開※1しているため、遠隔地でも長期停止リスクを解消できる。
現場が特殊で
標準機では合わない
洲崎電機製作所
金型交換装置
洲崎電機製作所
引用元:洲崎電機製作所
(https://www.susaki-e.co.jp/product/)
対応荷重量 (例)~30t
※特注対応のため
要問い合わせ
必要型締力 ※特注対応のため
要問い合わせ
こんな現場におすすめ
  • 建屋の柱や既存配管を避けた設計など特殊なオプションが必要
  • 新設・既設機・中古機に限らず、装置を合わせて設計したい
おすすめの理由
  • 標準機を持たず、全てオーダーメイドでの設計。柱や配管が干渉し、標準機では対応不可と判断された現場でも、専用設計で導入できる。
  • 創業72年※2の知見により旧型機や中古機へのレトロフィットにも対応。コストを抑えながら、条件に合わせた設備にアップデートできる。
※1 参照元:ストーブリ公式HP|2026年3月時点(https://www.staubli.com/global/en/about-us/who-we-are/our-locations.html
※2 参照元:洲崎電機製作所【PDF】|2026年3月時点(https://www.susaki-e.co.jp/susaki-2023.pdf
現場の課題に応じて選ぶ
金型交換装置3選