金型交換装置の種類

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金型交換の自動化を検討する際、判断の分かれ目となるのは、現場のレイアウト制限や床荷重といった設置環境との適合性です。

本記事では、主要な3方式(横入れ式・クレーン式・無軌道式)について、操作性や導入費用、現場にもたらす改善効果を整理しました。
クレーン待ちの解消や、限られたスペースでの段取り改善に向けた機種選定の目安としてください。

横入れ式・クレーン式・
無軌道式とは?

各方式の基本的な特徴は以下の通りです。

横入れ式

プレス機の横に敷設した固定レール上を専用台車が走り、金型を押し引きして交換する仕組みです。自動化しやすく、数分での超高速交換が行えますが、専用の固定スペースを占有します。

クレーン式

天井クレーンで金型を吊り上げて交換する従来の方式です。初期費用が安く床のスペースをとりませんが、交換に時間がかかり、落下リスクが伴うため、安全対策も合わせた装置選定が欠かせません。

無軌道式

ニチエツ\_MMCシリーズの画像

引用元:ニチエツ公式HP
https://jpvn.co.jp/non-track/

レールや設備の大がかりな工事が不要で、床面を自由に移動できる台車を活用するシステムです。レイアウト変更に強く、中量級の金型を柔軟に搬送できるのが特徴ですが、一定の通路幅を確保しなければなりません。

横入れ式・クレーン式・無軌道式の比較表

以下の比較表の各数値は、国内の主要な金型交換装置メーカー(ダイデック、ニチエツなど)のカタログスペックや一般的な工場での稼働実績などをもとに算出・記載しています。

それぞれに得意とする領域があるため、製造製品や工場のライン、広さ、従業員数などをもとに交換装置を選びましょう。

評価項目 クレーン式 横入れ式(固定レール) 無軌道式(自走・手動)
標準的交換時間 40分~60分以上 2.8分~5分 15分~25分
時間削減率(手動比) 基準(0%) 約93%削減 約50%~60%削減
推奨人員(名) 2~3名(合図・補助含む) 1名(ボタン操作のみ) 1名
最大積載荷重 クレーン能力に依存 50t以上(大規模対応) 0.5~5.0t程度
位置決め精度 (mm) ±2.0~5.0 (目視) ±0.05~0.1 (メカストッパ) ±0.5~1.0 (ガイド等)
最小必要通路幅 (mm) 天井空間を利用 固定スペース(金型2面分) 1,813mm (71.4インチ)
設備投資規模
安全性 リスク高(吊り荷の落下等) 極めて低い(自動化) 中(接触・挟まれ)

金型交換装置の選び方

横入れ式の金型交換装置の選び方

成形機の側面に十分な作業スペースと平坦な床面を確保できる現場に適した方式です。天井が低くクレーンを新設できない環境における自動化や時短に有効な一方で、機械が密集している現場や配管等の影響で床面工事が難しいと導入が困難になります。

現場の条件に合致するかどうか、具体的な製品ラインナップや事例を参考に検討を進めてみてください。

クレーン式の金型交換装置の選び方

十分な天井高があり、既存の設備を有効活用できる現場に向くシステムです。専用のステージ機構などと組み合わせることで、大型金型の交換でも足元のスペースを広く保ちながら効率化を図れます。

反面、天井が低い現場や他工程との共有によって待ち時間が発生する環境には適しません。
実際のシステム例や関連する補助装置の情報を取り入れつつ、自社に合う構成を見極めることが大切です。

   
現場の課題別で選ぶ
おすすめの金型交換装置・システム3選
   

ここでは、課題になりやすい「設置スペース・運用・設計」において、解決に導く3つの製品を紹介します。

通路が狭く
レイアウト変更できない
ニチエツ
無軌道タイプ
(MMCシリーズ)
ニチエツ 無軌道タイプ(MMCシリーズ)
引用元:ニチエツ公式HP(https://jpvn.co.jp/non-track/)
対応荷重量 0.4 ~ 2.5t
必要型締力 ~4,500kNクラス
こんな現場におすすめ
  • 通路幅が狭く、成形機の横に設置スペースがない
  • 大掛かりな床工事やレイアウト変更をせず、手軽に導入したい
おすすめの理由
  • W566×D772×H1,421mmのコンパクト設計と従来の装置の1/3の旋回面積によって、狭い通路でも切り返しなしでスムーズに走行。レイアウトを変えずに段取りを自動化できる。
  • 独立走行と高さ調整ができるため、クレーン不要で一人で即座に交換が可能。クレーン待ちの時間を削減し、稼働率の向上を図れる
配管が複雑
接続ミスを防げない
ストーブリ
手動式金型搬送台車
ストーブリ
引用元:ストーブリ公式HP
(https://www.staubli.com/jp/ja/quick-mold-change/manual-mold-loading-vehicle-mlv.html?f1=divisions%3Afluid-connectors%2Fexternal%2Fproduct-name%2Fmlv)
対応荷重量 0.7t
必要型締力 要お問い合わせ
こんな現場におすすめ
  • 配管の接続やクランプの固定ミスを物理的にゼロにしたい
  • カプラやクランプの制御、故障時の対応まで一括で委託したい
おすすめの理由
  • マルチカプラによる一括接続で、高度な知識がなくても正確な配管作業が完了。作業者の習熟度に依存せずに、接続不良による水・油漏れや設備故障を防ぐ。
  • 海外拠点でのトラブル時も迅速な現地対応が可能。世界29カ国に拠点を持ち、50カ国以上の代理店を展開※1しているため、遠隔地でも長期停止リスクを解消できる。
現場が特殊で
標準機では合わない
洲崎電機製作所
金型交換装置
洲崎電機製作所
引用元:洲崎電機製作所
(https://www.susaki-e.co.jp/product/)
対応荷重量 (例)~30t
※特注対応のため
要問い合わせ
必要型締力 ※特注対応のため
要問い合わせ
こんな現場におすすめ
  • 建屋の柱や既存配管を避けた設計など特殊なオプションが必要
  • 新設・既設機・中古機に限らず、装置を合わせて設計したい
おすすめの理由
  • 標準機を持たず、全てオーダーメイドでの設計。柱や配管が干渉し、標準機では対応不可と判断された現場でも、専用設計で導入できる。
  • 創業72年※2の知見により旧型機や中古機へのレトロフィットにも対応。コストを抑えながら、条件に合わせた設備にアップデートできる。
※1 参照元:ストーブリ公式HP|2026年3月時点(https://www.staubli.com/global/en/about-us/who-we-are/our-locations.html
※2 参照元:洲崎電機製作所【PDF】|2026年3月時点(https://www.susaki-e.co.jp/susaki-2023.pdf
現場の課題に応じて選ぶ
金型交換装置3選