プレス加工の現場では、生産する製品の種類が変わるたびに金型交換の作業が発生します。多品種少量生産を行う工場では交換回数が多くなる傾向があり、交換作業の効率化は生産性向上や納期遵守に大きく影響します。
金型交換の作業は大きく分けて、プレス機を停止した状態で行う「内段取り」と、プレス機の稼働中に事前準備を進める「外段取り」の2種類に分類されます。生産効率を高めるためには、内段取りをできる限り外段取りへ移行し、設備の停止時間を短縮することが重要です。
プレス金型交換の作業は、プレス機の種類や設備構成によって異なりますが、一般的には次の流れで進められます。
実際の作業内容は設備仕様や金型構造によって異なり、交換時間も設備環境や自動化の程度、作業体制などによって変動します。
プレス金型交換では、安全性や生産性の面でさまざまな課題があります。代表的な課題は次のとおりです。
プレス金型は重量物であるため、安全管理が重要です。クレーンを使用する場合は、法令に基づく資格や特別教育が必要となる作業があり、設備や作業内容によっては有資格者による対応が求められます。また、吊り上げ作業では落下や挟まれなどの労働災害を防ぐため、適切な作業手順を遵守する必要があります。
プレス金型は数十kgから数トンまで重量やサイズがさまざまで、搬送経路やクレーンの旋回スペース、保管場所の確保が必要になります。そのため、工場レイアウトによっては搬送効率が低下したり、設備配置の見直しが必要になったりする場合があります。
金型の位置合わせや条件調整には時間を要することがあります。手動による調整では作業者の経験や技能に依存する場面も多く、設備によっては調整作業が交換時間の長期化につながることがあります。
金型交換に時間がかかるほど設備停止時間が長くなり、生産効率や納期に影響を及ぼします。特に多品種少量生産では金型交換の回数が増えるため、交換作業の効率化が生産性向上の重要なポイントとなります。
金型交換時間を短縮する代表的な改善手法として、SMED(Single Minute Exchange of Die:シングル段取り)が広く知られています。SMEDは、段取り時間を10分未満に短縮することを目標とした改善手法で、その中心となる考え方が「内段取り」と「外段取り」の分離です。
事前準備を外段取りへ移行することで、プレス機の停止時間を短縮し、生産性向上を図ることができます。
また、金型交換装置を導入することで、金型搬送や位置決めなどの作業を効率化できる場合があります。クレーンによる作業を一部削減できる構成の装置や、自動位置決め機能を備えた装置もあり、設備仕様に応じて交換時間の短縮や作業の標準化が期待できます。
金型交換装置を導入することで、安全性の向上や作業効率の改善など、さまざまなメリットが期待できます。
横段取り方式を採用した装置では、プレス機への着脱時に天井クレーンによる吊り上げ作業を削減できる構成もあります。これにより、吊り荷の落下や挟まれなどのリスクを低減でき、安全性の向上が期待できます。
高精度な位置決め機構やサーボ制御を備えた装置では、金型の位置合わせを効率化できる場合があります。その結果、調整作業や試し打ちの負担を軽減し、段取り時間の短縮につながることがあります。
金型交換装置を導入すると、作業手順の標準化が進みやすくなり、担当者の熟練度による作業時間のばらつきを抑えられる場合があります。また、教育や技能継承の負担軽減にも役立ちます。ただし、設備によっては有資格者による作業や適切な教育が引き続き必要です。
プレス金型交換装置を選定する際は、次の4点を確認しましょう。
① 金型重量・サイズへの対応
使用する金型の重量や寸法に対応できる能力を備えているか確認します。
② 設置スペースへの適合
工場の通路幅や設備配置に適したサイズであるかを確認します。
③ カスタマイズ性・導入までの期間
工場レイアウトや既存設備に合わせた仕様変更が可能か、納期も含めて確認します。
④ 保守・サポート体制
故障時の部品供給やメンテナンス体制、アフターサポートの充実度も重要な比較ポイントです。
プレス金型交換は、安全性と生産性の両面で重要な工程です。交換時間を短縮するためには、SMEDの考え方を取り入れて内段取りを外段取りへ移行するとともに、工場環境に適した金型交換装置の導入を検討することが有効です。
装置を比較する際は、金型への対応能力、設置スペース、カスタマイズ性、保守体制などを総合的に確認し、自社の生産環境に適した設備を選定することが重要です。
Q. プレス金型を外す前に、必ず確認したいことは何ですか?
A.
プレスが安全に停止していること、金型が保持された状態であること、クランプ解除後に動かないことを確認します。
上型・下型の固定状態や周囲の作業者も確認し、解除順序を標準化しておくことが重要です。 実際の判断では位置決め、固定、停止確認に加え、取り外しと搬送の条件差も含めて考えることで、交換手順の安全性と再現性を整理しやすくなります。 プレス金型交換・手順の条件を比較するときは、固定と停止確認を分けて見ることで、結果の差がどこから生じたか把握しやすくなります。
Q. 金型交換後にシャットハイトの調整は必要ですか?
A.
金型やプレス機の条件によって必要です。
金型高さや位置決め条件が変わる場合は、設定値を確認し、試運転前に適正な状態へ合わせます。 過去の設定値を記録しておくと段取りの再現性を高めやすくなります。 位置決めだけで決めるのではなく、停止確認・取り外し・搬送・固定も同じ前提で確認し、条件差を分けて見ることで、交換手順の安全性と再現性を整理しやすくなります。 取り外しと搬送の関係も、プレス金型交換・手順を判断する際の前提に含まれ、条件が変わると評価も変わる点に注意が必要です。
Q. プレス金型の交換でクレーン待ちを減らす方法はありますか?
A.
次の金型を事前に機械近くへ準備する、専用台車や横入れ式の搬送装置を使うなどの方法があります。
クレーン作業がどの工程に集中しているかを確認し、搬送と据え付けを分けて改善すると効果を検討しやすくなります。 搬送、位置決め、停止確認は相互に影響するため、取り外しと固定まで含めて条件差を整理すると、交換手順の安全性と再現性を整理しやすくなります。 取り外しの違いを比べる際は固定も同じ条件で見ることが、プレス金型交換・手順の判断基準をそろえるうえで重要です。
Q. 金型交換のあとに不良が出る場合、交換手順が原因のことはありますか?
A.
位置決め、固定、接続、設定値の戻し忘れなどが影響する場合があります。
交換後の確認項目をチェックリスト化し、初品確認までを交換手順に含めると、再発防止につなげやすくなります。
交換後の不良を成形条件だけで追うと、位置決めや締結状態など交換作業に由来する差を見逃すことがあります。不良発生時は、交換前後の位置決め、クランプ、配管接続、初品確認の記録を照合し、毎回同じ手順で再現できているかを確認すると原因を切り分けやすくなります。
ここでは、課題になりやすい「設置スペース・運用・設計」において、解決に導く3つの製品を紹介します。

| 対応荷重量 | 0.4 ~ 2.5t |
|---|---|
| 必要型締力 | ~4,500kNクラス |

| 対応荷重量 | 要お問い合わせ |
|---|---|
| 必要型締力 | 要お問い合わせ |

| 対応荷重量 | (例)~30t ※特注対応のため 要問い合わせ |
|---|---|
| 必要型締力 | ※特注対応のため 要問い合わせ |